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TAKAHIRO YASUDA solo exhibition
"Drive my car."
会 期:2021年12月18日(土) - 2022年1月16日(日)
時 間:12:00-19:00
休 廊:月火、年末年始(12/27 - 1/4)
場 所:VOILLD
展覧会URL:
安田昂弘さんは1985年生まれ、多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒業、2015年により独立。グラフィックデザイナー / アートディレクターとして、グラフィックからデジタル領域のディレクションまで幅広い分野でクリエイションをされています。ファッションでも、FACETASM Spring Summer 2021 Collectionの配信映像 "More memories"、2021年夏のラフォーレグランバザールのビジュアル、ファミマのConvenience Wearではアイデンティティ開発、パッケージ、ルック、店頭周りなど、全てのアートディレクション、グラフィックデザインを担当されています。
VOILLDさんでは2015年より年1回の展示を行っていて、今回は7回目となる個展です。
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一見して分かる運転席からの眺めが、必要最低限まで情報を削ぎ落とされてグラフィック化されています。丸い形状が速度計を連想させて、ドライブ時の疾走感まで感じさせてくれる作品です。
円の中心から放射状に伸びた線と色面のみの情報なのに、それが「何」か分からせるだけでなく、状況や空気感まで伝えてくるグラフィックの力に脱帽しました。
上左:「11:46:20」上右:「00:00:00」
下左:「21:10:39」下右:「11:15:42」
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上左:「17:04:34」上右:「14:14:32」
下左:「21:44:21」下右:「00:22:16」
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=329x10000:format=jpg/path/s62453297738ff6ff/image/idaaf9a4c4227c358/version/1649482203/image.jpg)
高速のトンネルって苦手じゃなかったですか? 何となく埃っぽい匂いまでするという。不思議な山吹色の光に照らされて、早く抜けてほしいんだけど思い出のアクセントになるというか、記憶に深く刻まれているんですよね。
タイトルが「時 : 分 : 秒」だとすると上記の「00:00:00」でトンネル入って「00:22:16」がトンネルの中で、結構長いトンネルなんだな、とか考えて観ると楽しいです (別の日の別のトンネルかもしれません)。
「15:03:23」
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上左:「22:24:46」上右:「14:12:05」
下左:「14:31:39」下右:「16:20:06」
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=329x10000:format=jpg/path/s62453297738ff6ff/image/iceadbc1683022010/version/1649482213/image.jpg)
上左:「22:21:53」上右:「14:10:10」
下左:「08:28:17」下右:「17:05:21」
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=329x10000:format=jpg/path/s62453297738ff6ff/image/i251004605987489e/version/1649482220/image.jpg)
トンネルばっかり探してしまう、、、
作品は、アクリル板にUVインクジェット印刷でプリントされています。この記事の画像にも反射でほかの作品や蛍光灯が映り込んでしまうんですが、夜の風景も何とも素敵でした。
「21:14:16」
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車から見た夜ってこんなにかっこよかったんですね。
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安田さんは本展の経緯を含めた言葉を寄せていて、目的地への「移動」が「道中」だった頃のことに思いを馳せ、「移動」すら「ワープ」になりつつある現状から「長崎まで往復2,500kmを自走で行く」ということを通じて、時間や空間の感覚を取り戻したと言及されています。
「ワープ」よりも「道中」。手間がかかる、という言葉はマイナスのイメージですが、手間をかける、と言うと丁寧さであったり、些末なことに心を配るというようなプラスのイメージがあります。LINEじゃなくて、飛脚で届けられた手紙、なんてものを今の時代に受け取ったら、正座して拝読するんじゃないでしょうか。少なくとも一瞥して「はい、了解」とは言えないなぁ、と箱根駅伝を観ながら思いました。
時間や空間には無数の粒子が漂っていて、それを通過することで纏うオーラのようなものを私たちは無視することができないのです。たとえ「どこでもドア」が開発されたとしても、余暇の旅には使わない、なんてことになるのではないでしょうか?
コロナ禍で、どこへでも行きたい時に行ける状況ではないですが、だからこそ、時間と空間、手間をかけることについてなど、考えさせられる展示でした。観に行ける方はぜひ足を運んでみてください。
展示風景画像:TAKAHIRO YASUDA solo exhibition "Drive my car."
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